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はじめに
源泉徴収がある支払予定レコードのシステム連携についての操作マニュアルです。
以下の取引を例に説明します。
報酬額:100,000
消費税:10,000
源泉徴収税:10,210
支払額:99,790(100,000 + 10,000 - 10,290)
事前準備
源泉徴収がある取引の支払予定を連携するために、以下(1-2)の事前準備を行います。
この記事では、源泉徴収税の支払予定を債権債務マスタ「預り金」を使用して管理する方法を紹介します。
取引先元帳をその他の取引と分けて管理する必要がない場合は、「買掛金」等の通常の取引と同じ債権債務マスタを使用する事も可能です。
※「買掛金」等を使用する場合は、「1. 債権債務マスタ」の追加は不要です。
1. 債権債務マスタ
源泉徴収用の債権債務マスタレコードを作成します。科目は任意ですが、「預り金」を設定することを推奨しています。
1-1. ツバイソERPの債権債務マスタ
ツバイソERPに該当の債権債務マスタがない場合は、以下を参考に債権債務マスタを作成します。
- 並び順 :8
※並び順は何番でも構いません。 - 債権債務名称:預り金(報酬分)
1-2. ツバイソPSAの債権債務マスタ
ツバイソPSAに該当の債権債務マスタがない場合は、以下を参考に債権債務マスタを作成します。
- 債権債務マスタ名(購買) :預り金(報酬分)
債権債務マスタコード(購買):8
※ツバイソERP側で設定している識別番号を入力します。
2. 商品・サービスマスタ
ツバイソPSAにマスタ種別「源泉徴収税」の商品・サービスレコードがない場合は、以下を参考に商品・サービスを作成します。
- 名称 :源泉徴収税
- 帳票表示名称 :源泉徴収税
- マスタ種別 :源泉徴収税
- 調達プロセスで使用 :チェック
- 購買原因マスタ(直接費):源泉徴収税
- 購買原因マスタ(間接費):源泉徴収税
- 債権債務マスタ(購買) :預り金(報酬分)※または、買掛金など
- 税区分マスタ(購買) :対象外又は非課税仕入
3. 取引先関連情報
源泉徴収が必要な取引先の取引先関連情報レコードにおいて、源泉徴収に関する項目が設定されていない場合は、以下を設定します。
取引先(仕入先)> 取引先関連情報 の税金関連情報
- 源泉徴収対象支払先とするか:する
- 源泉徴収区分:区分を選択(「--なし--」以外)
- 源泉徴収基準額:消費税抜額 or 消費税込額 を選択(「--なし--」以外)
発注の作成
「仕入先」の項目に、源泉徴収が必要な取引先を選択します。
発注レコードで仕入先の取引先として設定すると、その取引先が発注レコード以降に作成されるレコードの「仕入先」としてデフォルトで設定され、取引先関連情報で登録されている源泉徴収に関する項目がレコードに自動で設定されます。
※上記以外の設定については、【発注】の使い方を参考に発注レコードを作成してください。
検収/期間費用/T&M費用〜支払の作成
発注明細で登録した商品・サービスの費用認識の方法に基づき、発注レコードから検収レコード、期間費用レコード、もしくはT&M費用レコードを作成します。
※レコードの作成方法については、各オブジェクトの操作マニュアルを確認してください。
作成した検収/期間費用/T&M費用のレコードから(前払の場合は発注レコードから)、支払レコードを作成します。
※作成方法については【支払】の使い方を確認してください。
作成された支払レコードの「基本情報」及び「金額情報」に源泉徴収に関する項目があります。発注で設定した取引先の取引先関連情報で登録されている源泉徴収に関する項目から自動で転記・設定されます。
内容が正しいか確認し、必要があれば修正してください。
支払予定の作成
支払レコードから支払予定レコードを作成すると、通常は支払明細毎に支払予定レコードが作成されます。
源泉徴収対象の支払レコードから支払予定レコードを作成すると、通常作成される支払予定レコード[110,000]に加えて、支払レコードから源泉徴収税額用の支払予定レコード[10,290]が1レコードが作成されます。
支払予定の連携
PSAから支払予定レコードの連携
対象のレコードを締処理することで自動的に連携が実行されます。
※締処理すると「ERP自動連携」にチェックが入り、システム連携が完了するとチェックが外れます。
連携後のERP仕入経費明細
PSAからERPに支払予定レコードが連携されると、PSAの支払予定レコードのシステム連携情報が更新され、ERPには仕入経費明細が作成されます。
- PSAの支払予定レコード(支払明細から作成)のシステム連携情報
- 債権債務マスタ(購買):発注明細で設定されている債権債務マスタ(購買)
- ツバイソURL(赤):URLあり
- ツバイソURL(黒):URLあり
- 金額(税抜):100,000
- 金額(税込):110,000
- 源泉徴収税額:0
- PSAの支払予定レコード(源泉徴収税額用、支払から作成)のシステム連携情報
- 債権債務マスタ(購買):預り金
- ツバイソURL(赤):URLなし
- ツバイソURL(黒):URLあり
- 金額(税抜):0
- 金額(税込):0
- 源泉徴収税額:10,290
- ERPの仕入経費明細
- 連携されてERPに仕入経費伝票が作成されていますが、システム機能設定の「PSAからの入出金予定赤黒伝票を非表示」機能により、支払予定の仕入経費明細は非表示になっています。
- ERPの支払予定表
- 合計発生額[110,000]から源泉徴収税額[10,290]が差し引かれた金額が合計支払額[99,710]として、差引支払予定額の小計に表示されています。
支払消込
支払消込の使い方の通り、購買管理>支払消込のページにアクセスします。
消込フォームを開くと、上部に「消込アシスト」が表示されます。
「支払予定候補を表示」をクリックし、対象の支払予定の「消込先として設定」をクリックすると、消込フォームに金額が自動セットされます。
支払予定表の税込発生額[110,000]と源泉徴収税額[10,210]の二つが消込フォームに自動セットされます。
源泉徴収税額分は、源泉徴収額にはプラスの源泉徴収税額、支払額にはマイナスの源泉徴収税額が消込フォームにセットされます。
更新することにより、取引先の東京税理士事務所に対する債務[110,000]が消し込まれ、会計上、預り金(報酬分)[10,210]が仕訳計上されます。
預り金(報酬分)[10,210]は、翌月、納付後、銀行の支払用の銀行原因マスタ「源泉所得税(報酬分)の納付」(標準設定の場合)を選択することで、預り金(報酬分)[10,210]の減少仕訳が計上されます。
債権債務管理
支払額の残高
PSAの支払予定レコードが連携されると、ツバイソERPの仕入経費明細がプラスとマイナスの金額で2伝票作成されます。従って、当該取引先元帳の債権債務残高には影響しません。
源泉徴収税額の残高
PSAの源泉徴収税額の支払予定が連携されると、ツバイソERPの仕入経費明細が作成されますが、発生額がないため源泉徴収用の取引先の取引先元帳には表示されません。
支払後、支払消込をすることで、源泉徴収税額及び支払額の伝票が作成され相殺されますので、当該取引先元帳の残高は0円となります。