はじめに
外貨建取引には、以下が必要となります。
- 外国通貨による取引の記録
- 外貨建取引の為替レートによる機能通貨(円)への換算、記録
ツバイソPSAの外貨建取引機能は、上記の外貨建取引の自動化を支援します。
仕組み
以下の図を参考に、外貨建取引機能の仕組みを説明します。
取引先関連情報、商品・サービス、為替レートの3つのマスタと、売上プロセス(見積、受注、納品、期間収益、T&M収益、請求、売上)、調達プロセス(調達依頼、見積依頼、発注、検収、期間費用、T&M費用、支払、仕入経費)の各トランザクションの関係を把握することで外貨建取引機能を理解できます。
商品・サービスとの関係
個々のトランザクションが外貨建取引か否かは、見積や調達依頼などで選択した商品・サービスの「通貨」により自動的に決まります。商品・サービスを選択した際、その商品・サービスの「通貨」に選択されている値が転記されます。「通貨」が設定されると、同じ「通貨」が設定された商品・サービスのみ選択可能となり、異なる「通貨」の商品・サービスは選択できなくなります。図では商品・サービスから見積と調達依頼にだけ矢印がありますが、他のオブジェクトにも転記されます。
為替レートとの関係
見積などのトランザクションレコードには、上記の「通貨」と共に「為替レート種別」「換算日」が設定され、これらの組み合わせによって「為替レート」マスタから「為替レート」を取得し、円換算します。
「為替レート種別」には、取引日、前月平均TTM、前月末日、今月初日、社内レートがあり、為替レートの取得に使用されます。外貨建取引機能の設定方法で設定した選択リスト値セットのデフォルトが設定されます。他のオブジェクトから作成した場合は、作成元レコードの値が転記されます。
「換算日」は、為替レートの取得において「対象日」として使用します。初期値としてレコードの作成日が設定されます。他のオブジェクトから作成した場合は、作成元レコードの「換算日」が転記されます。
取引先関連情報との関係
受注と発注レコードにおいては、取引先との間で定めた為替レート種別がある場合は、取引先関連情報の「契約為替レート種別」を設定することで受注、発注の「契約為替レート種別」に転記されます。売上、請求、仕入経費、支払レコードの「為替レート種別」に転記し、当該為替レート種別を用いて円換算できます。未設定の場合は売上、請求レコードに転記されず、作成元レコードの「為替レート種別」を使用して為替レートが取得されます。
上記の仕組みにより、外国通貨と円換算の取引記録が行われます。
適用する為替レートの決定方法
上記の通り、見積などのトランザクションレコードの「通貨」「為替レート種別」「換算日」の組み合わせによって「為替レート」マスタから「為替レート」を取得し、円換算します。
為替レートは外貨建取引機能の設定方法に記載の条件で自動作成されます。為替レート種別[社内レート]は専用画面から手動設定します。
どの為替レートで換算するかは外貨建取引等会計処理基準、外貨建取引等会計処理基準注解の以下を参考に各社ごとに方針を決めて下さい。なお、基準の「取引発生時」は会計計上日ですから、見積、受注時においては将来の日付となる点も考慮して為替レート種別を決めると良いです。一定期間ごとに定める社内レートが運用しやすいです。
外貨建取引等会計処理基準1
外貨建取引は、原則として、当該取引発生時の為替相場による円換算額をもって記録する。
外貨建取引等会計処理基準注解2
取引発生時の為替相場としては、取引が発生した日における直物為替相場又は合理的な基礎に基づいて算定された平均相場、例えば取引の行われた月又は週の前月又は前週の直物為替相場を平均したもの等、直近の一定期間の直物為替相場に基づいて算出されたものによる。ただし、取引が発生した日の直近の一定の日における直物為替相場、例えば取引の行われた月若しくは週の前月若しくは前週の末日又は当月若しくは当週の初日の直物為替相場によることも妨げない。
外貨建の帳票について
ツバイソPSAの標準帳票は、円貨のみの対応となります。
外貨建の帳票は、文字数などによりデザインなどが大幅に変わるため、各社ごとの帳票開発が必要です。帳票開発については当社の営業担当にお問い合わせください。