はじめに
GoogleスプレッドシートでツバイソPSAをはじめ、Salesforce上にあるデータを取得、編集、同期することができます。
具体的には、以下が行えます。
- SalesforceのレポートをGoogleスプレッドシートに取得
- SalesforceのデータをGoogleスプレッドシートに定期的(4時間、8時間、24時間)に自動取得
- SalesforceのオブジェクトのデータをGoogleスプレッドシートに取得
- GoogleスプレッドシートからSalesforceのオブジェクトにデータを追加、更新、削除
SalesforceのレポートをGoogleスプレッドシートに定期的に自動取得し、Googleスプレッドシートの関数を使ってデータを作成し、Salesforceに追加、更新するなど、簡単な自動化を行うことができます。
準備
まず、連携したいツバイソPSA/Salesforceにログインしましょう。
隣のタブに連携するGoogleアカウントでGoogleスプレッドシートを開いてください。
Googleスプレッドシートで、拡張機能>アドオン>アドオンを取得を選びます。
Google Workspace MarketplaceでSalesforceで検索すると「Data Connector for Salesforce」が表示されるので、選択してください。
このアドオンは、google.comが提供しています。
以下、手順に従ってインストールを行なってください。
Salesforceと連携するGoogleスプレッドシートのアカウントを選択してください。
Googleアカウントへのアクセスを許可します。
以下が表示されれば、インストールは成功です。
続いて、GoogleスプレッドシートからSalesforceへログインします。
ProductionかSandboxを選択してください。
ツバイソPSAの製品版をお使いの場合で、本番環境に接続する場合はProductionを選択し、トライアルや開発環境に接続する場合はSandboxを選択してください。
接続先の組織のユーザー名とパスワードを入力します。
以下が表示されれば接続成功です。
GoogleスプレッドシートでSalesforce Connectorを開きましょう。
以下のようになれば準備完了です。
接続先のSalesforce組織、アカウントの変更方法
複数の本番環境、Sandboxがある場合は、Googleスプレッドシートの接続先を変更する必要があります。その方法を把握しておきましょう。
右上のメニューを開きます。
Connection Informationで接続先情報(組織情報とユーザー情報)を確認します。
接続解除してよければ、DISCONNECT ADD-ONを押してください。
再度、GoogleスプレッドシートでSalesforce Connectorを開くと接続先を聞かれますので、上記の準備で行ったように接続したい組織のユーザー名でログインしてください。
SalesforceのレポートをGoogleスプレッドシートに取得
SalesforceのレポートをGoogleスプレッドシートに取得してみましょう。
ここでは、社員部門マスタのレポートを取得してみましょう。
メニューよりReportsを選択してください。
レポートを検索して選択してください。
Group results if possibleは、レポートでグルーピングをしているときにそれが反映されます。
GET DATAで以下のようにレポートのデータを取得できます。
SalesforceのデータをGoogleスプレッドシートに
定期的(4時間、8時間、24時間)に自動取得
次に、上記で設定したレポートを定期的に自動取得する設定をしてみましょう。(レポートだけでなく、下記で説明するSalesforceのオブジェクトのデータの自動取得も可能です。)
メニューからRefreshを選択してください。
Auto RefreshのCREATEを押してください。
自動更新するシートと頻度(4時間毎、8時間毎、24時間毎)を選択してください。自動更新するシートが複数ある場合は複数チェックしてください。
GoogleスプレッドシートからSalesforceのオブジェクトにデータを追加、変更、削除
続いて、GoogleスプレッドシートからSalesforceのオブジェクトにデータを追加、変更、削除を行ってみましょう。
まず、準備のために、Salesforceのオブジェクトのデータを取得しましょう。
SalesforceのオブジェクトのデータをGoogleスプレッドシートに取得
メニューから、Importを選択してください。
ここでは「案件」オブジェクトのデータを取得してみましょう。
案件を選択してNEXTを押してください。
取得する項目を選択します。以下の3項目を選択しましょう。検索すると選択が簡単です。
- カスタムオブジェクトID
- 案件名
- 案件目標金額
3項目にチェックをつけたらNEXTを押してください。
項目を多く選択するとエラーとなる場合があります。項目数が多い場合はレポートで取得しましょう。
取得条件を項目で絞り込むこともできます。今回はブランクで良いです。
GET DATAを押してください。
以下のようにデータが取得できれば成功です。
GoogleスプレッドシートからSalesforceのオブジェクトのデータを更新
GoogleスプレッドシートからSalesforceのオブジェクトのデータを更新してみましょう。
先ほど取得したデータの一部を以下のように書き換えてみましょう。
以下のC4のセルのように関数を使うこともできます。
準備ができたらメニューよりUpdateを選択してください。
更新する行を選択して、REFRESH THE SELECTED RANGEを押してください。薄く色がつきます。
Updateを選択し、更新するレコードを特定するためにIdの列を選択してください。ここではA列です。
NEXTを押してください。
更新する項目を確認し、EXECUTEを押してください。
ツバイソPSAの案件を開いて更新されたことを確認してください。
testで検索すると見つけやすいです。
GoogleスプレッドシートからSalesforceのオブジェクトにデータを追加
続いて、案件データを作成して、ツバイソPSAにデータを追加してみましょう。
先ほどの行の上に3行追加して、Name(案件名)、tb_PSA__tb_OrdersTargetAmount__c(案件目標金額)を入力してください。
IdはSalesforceにデータ追加時に自動採番されるため空白にします。
メニューのUpdateを押してください。
追加する行を選択して、REFRESH THE SELECTED RANGEを押してください。
今回は、Insertを選択し、NEXTを押して、EXECUTEしてください。
ツバイソPSAに戻って、リロードしてみましょう。
以下のように3レコード追加されていれば成功です。
セキュリティ(データアクセス権限)について
上記で見たようにGoogleスプレッドシートを使って簡単な自動化(データの取得、作成、更新)を行うことが可能です。便利な反面、セキュリティ(データアクセス権限)についても考える必要があります。
まず、Googleスプレッドシートからアクセスできるデータは、接続したSalesforceのアカウント(ユーザー)のアクセス権限に基づくことになります。また、データの作成更新者、日時の記録も残ります。従って、ユーザー毎に適切なデータアクセス権限を付与していれば不測のデータ流出、更新、削除などを防ぐことができます。
しかし、UIで表示させないことによってアクセス制御している場合(データの更新権限は与えている場合)は直接データ更新ができるため注意が必要です。また、レコード間のデータの整合性が崩れないようにすることも重要です。これはGoogleスプレッドシートによる更新だけでなく、インポートを行う場合にも同様に気をつける必要があります。
また、Googleスプレッドシートにダウンロードした後のデータの扱いについては、Googleスプレッドシートのセキュリティによるため、十分なケアが必要です。
Googleスプレッドシートによる簡便な自動化は、データ移行、ちょっとした運用の自動化、柔軟性、データの活用、メンテナンスなど、一定のリテラシーあるユーザーにとっては有用です。
一方、作り込みすぎないようにすることがセキュリティ、データの保守性の加点からは重要です。