Index
はじめに
【管理会計】オブジェクトの使い方に関する操作マニュアルです。
管理会計とは
管理会計(management accounting)とは、戦略を策定し、経営意思決定、マネジメント・コントロールおよび現場活動のコントロールを通じて経営者を支援するための会計をいいます。このうち、ツバイソPSAとしての管理会計の目的は、マネジメント・コントロールおよび現場活動のコントロールにあります。
マネジメント・コントロールとは
マネジメント・コントロール(management planning and control)は、計画設定とコントロールに区分され、責任会計制度によって行います。
責任会計制度(responsibility accounting)とは、会計システムを管理上の責任に結びつけ、職制上の責任者の業績を明確に規定し、測定する会計制度を言います。経営者は、責任単位(責任センター)における権限と責任を明確にし、権限委譲、目標設定、業績評価、報奨を行うことで組織経営を行います。
マネジメント・コントロールの計画設定は、責任センター(responsibility center)ごとに行います。計画設定(planning)は、プロジェクト計画(project planning)と期間計画(period planning)に区分されます。
ツバイソPSAでは、プロジェクト計画とコントロールはツバイソPSAの【案件】または【受注】単位で行い、期間計画とコントロールはツバイソERPの【部門別の予算実績管理】で行います。
責任センターとしては、【案件】、【部門】、【セグメント】単位で行い、業績評価指標としては、売上、原価、損益の予算と過去の実績に加えて、予測値をリアルタイムに月次で集計します。
上記のマネジメント・コントロールの目的から、ツバイソPSAでは、責任センター別で、業績の予測と実績の月次推移のレポート、ダッシュボードをリアルタイムに作成します。標準では以下が用意されていますが、レポート作成機能により必要に応じてカスタマイズ、拡張することができます。
部門(会計)別月次種類別管理会計管理会計の基本レポートです。
(2022/4/25更新)
レポート名 | 説明 |
部門(会計)別月次予算実績 | 予算と実績の分析用レポートです。 |
部門(会計)別月次予算実績DBoard | ダッシュボード用の管理会計の基本レポートです。 |
案件計画 | 案件計画のメンテナンス用のレポートです。 |
商品・サービス別月次種類別管理会計 | 見積時の分析用レポートです。 |
商品サービスセグメント別月次種類別管理会計 | 見積時の分析用レポートです。 |
月次進行基準損益 | 進行基準または原価回収基準の確認用のレポートです。 |
仕入先別月次予算実績 | 仕入先別の実行予算と実績の分析用レポートです。 |
※管理会計2レポートの詳細は、以下の記事をご参考ください。
マネジメント・コントロールと現場活動のコントロール
マネジメント・コントロールで使用する業績評価指標(予算、売上、原価、損益等の財務指標)は、実際の日々の現場活動の結果がリアルタイムに反映されなければなりません。経営者・責任者は、リアルタイムの業績評価指標から判断、調整、現場活動にフィードバックし、さらにその結果を測定、判断し、現場活動にフィードバックするというPDCAのマネジメント・サイクルを行う必要があるからです。
管理会計における業績評価指標の測定は、早く、精度高く、かつ低コストでなければなりません。ツバイソPSA、ツバイソERPでは、現場担当者が管理会計のために数字を設定することなく、各業務プロセス(【売上プロセス】、【制作プロセス】、【調達プロセス】)の業務支援・自動化の機能を利用して日々の活動を行うことで、管理会計機能が自動的にリアルタイムに情報を収集します。(参考:[業務プロセスと管理会計の関連図])
[業務プロセスと管理会計の関連図]
現場活動のコントロール
現場活動のコントロールは、個々の社員の権限と責任を明確にし、モチベートし、もって、責任センター、企業の計画を達成することを言います。トップ、ミドルのマネジメントと同様、計画、評価指標の設定、測定、調整というPDCAサイクルに違いはありません。
違いは、相対的に責任単位が小さくなることに伴い、測定対象が小さくなることです。具体的には、個人やチーム、特定顧客、商材、特定業務のように、責任センターよりも小さい単位で評価指標の設定と測定が必要になります。測定単位が小さくなることにより難易度が上がる一方、効果は一個人であるため、経済性が悪くなります。しかし、企業活動は一人一人の社員の活動の集合であるため、磨き上げられた現場活動、すなわちオペレーショナル・エクセレンス(operational excellence)こそ模倣されにくい競争優位の源泉といえるため、価値があります。
ところで、業績評価指標には、財務指標と非財務指標がありますが、業務責任範囲が小さくなると財務指標では測定しにくくなり、非財務指標を使うことになります。しかし、非財務指標は財務指標を分解、関連した指標を使わなければ、評価、報奨に使いにくいものとなるため注意が必要です。
ツバイソPSAは、業務プロセスごとに各種日付、予算、数量、単価、金額といった最終的に財務指標につながる非財務指標をトランザクションごとに持ち、リアルタイムに集計することができます。
例えば【営業管理】においては、標準では以下が用意されていますが、レポート作成機能により必要に応じてカスタマイズ、拡張することができます。
- 部門別社員別月次案件化金額
- 部門別社員別月次見積提出金額
- 部門別社員別月次受注金額
- 部門別商品・サービス別月次受注金額
- 部門別契約手続き種類別月次契約件数・金額
財管一致
管理会計の業績評価指標である会計数値は、トップマネジメントの最終的な業績評価指標である財務会計の会計数値と一致する“財管一致”により、数値の整合性と信頼性が担保される必要があります。ツバイソPSA、ツバイソERPは同じ現場活動の結果としての会計数値を使用すること、またこれを実現するためのマスタとトランザクションのAPIによる相互リンク、同期によりこれを担保します。
項目一覧
項目名 | 説明 |
日付情報 | |
会計計上日 | |
基本情報 | |
管理会計種別 | |
集計区分 | |
編集可 | 「保護」以外の項目は、編集可の場合に編集可能です。 |
保護 | 保護にチェックをつけることにより、作成元レコードとの同期が行われなくなります。 管理会計レコードは、作成元レコード(見積明細、受注明細など)が更新(内容の変更をしない場合でも、レコードを開いて保存をすることで更新されます。)された場合、削除、再作成することにより同期しています。 保護にチェックをつけることにより、作成元レコードが更新されても本管理会計レコードは同期(削除、再作成)されません。 作成元レコードから複数の管理会計レコードが作成されている場合は、整合性を維持するため「作成元レコードId」が同じ他の管理会計レコードの保護も自動的にチェックします。 再度同期をしたい場合は、保護のチェックを外して、元のレコードを更新するか、管理会計を再作成をチェックしてください。 |
無効 | |
メモ | |
科目・金額情報 | |
売上高 | 売上プロセス(見積、受注、納品、期間収益、T&M収益、売上)の明細の商品・サービスの集計科目(販売)が「売上高」の場合に転記されます。 |
商品仕入高 | 売上プロセス(見積)で制作指図がある場合、あるいは、調達プロセス(調達依頼、発注、検収、期間費用、T&M費用、仕入経費)の明細の購買原因マスタ.勘定科目マスタ.集計科目が「商品仕入高」の場合に転記されます。 |
商品たな卸高 | 現在使用しておりません。 |
商品原価 | 商品仕入高 - 商品たな卸高 |
(制)材料費 | 調達プロセス(調達依頼、発注、検収、期間費用、T&M費用、仕入経費)の明細の購買原因マスタ.勘定科目マスタ.集計科目が「(制)材料費」の場合に転記されます。 |
(制)労務費 | 制作指図と関連する配員から転記されます。 |
(制)経費 | 調達プロセス(調達依頼、発注、検収、期間費用、T&M費用、仕入経費)の明細の購買原因マスタ.勘定科目マスタ.集計科目が「(制)経費」の場合に転記されます。 |
(制)外注費 | 調達プロセス(調達依頼、発注、検収、期間費用、T&M費用、仕入経費)の明細の購買原因マスタ.勘定科目マスタ.集計科目が「(制)外注費」の場合に転記されます。 |
(制)制作間接費 | 制作間接費配賦の「配賦基準量」が「0」ではない場合は「正常配賦額」、「配賦基準予定量」が「0」ではない場合は「配賦予算額」から転記されます。 |
(制間)材料費 | 調達プロセス(調達依頼、発注、検収、期間費用、T&M費用、仕入経費)の明細の購買原因マスタ.勘定科目マスタ.集計科目が「(制間)材料費」の場合に転記されます。 |
(制間)労務費 | 制作指図と関連しない配員から転記されます。 |
(制間)経費 | 調達プロセス(調達依頼、発注、検収、期間費用、T&M費用、仕入経費)の明細の購買原因マスタ.勘定科目マスタ.集計科目が「(制間)経費」の場合に転記されます。 |
(制間)外注費 | 調達プロセス(調達依頼、発注、検収、期間費用、T&M費用、仕入経費)の明細の購買原因マスタ.勘定科目マスタ.集計科目が「(制間)外注費」の場合に転記されます。 |
制作費用 | (制)材料費 + (制)労務費 + (制)経費 + (制)外注費 + (制)制作間接費 + (制間)材料費 + (制間)労務費 + (制間)経費 + (制間)外注費 |
仕掛品たな卸高 | 調達プロセス(調達依頼、発注、検収、期間費用、T&M費用、仕入経費)に関連する制作指図の「未完成時の資産性」にチェックが入っており、制作指図に関連する原価計算票の原価会計処理方法で、未完成時の仕訳に「資産/仕掛品たな卸高」が設定されている場合、調達プロセスの費用発生時に明細の金額が計上され、原価計上時にマイナスに振り替えられます。 |
制作原価 | 制作費用 - 仕掛品たな卸高 |
標準原価 | 売上プロセス(見積)で制作指図がない場合に転記されます。 |
製品たな卸高 | 現在使用しておりません。 |
製品原価 | 制作原価 + 標準原価 - 製品たな卸高 |
その他原価 | 現在使用しておりません。 |
他勘定振替高 | 労務費の研究開発費への振り替えなどに使用されます。 |
売上原価 | 商品原価 + 製品原価 + その他原価 - 他勘定振替高 |
売上総利益 | 売上高 - 売上原価 |
販売費 | 調達プロセス(調達依頼、発注、検収、期間費用、T&M費用、仕入経費)の明細の購買原因マスタ.勘定科目マスタ.集計科目が「販売費」の場合に転記されます。 |
一般管理費 | 調達プロセス(調達依頼、発注、検収、期間費用、T&M費用、仕入経費)の明細の購買原因マスタ.勘定科目マスタ.集計科目が「一般管理費」の場合に転記されます。 |
営業利益 | 売上総利益 - 販売費 - 一般管理費 |
資産 | 仕掛品たな卸高の振り替え時、または、売上プロセス(見積、受注、納品、期間収益、T&M収益、売上)の明細の商品・サービスの集計科目(販売)、調達プロセス(調達依頼、発注、検収、期間費用、T&M費用、仕入経費)の明細の購買原因マスタ.勘定科目マスタ.集計科目が「資産」の場合に転記されます。 |
負債 | 現在使用しておりません。 |
未設定 | 管理会計対象トランザクションのうち、集計科目が設定されていないものが「未設定」として集計されます。以下の場合は集計科目が設定されないため設定を確認してください。「商品・サービス」に「販売原因マスタ」「購買原因マスタ」が設定されていない。「販売原因マスタ」「購買原因マスタ」に「勘定科目マスタ」が設定されていない。原価科目については、「原価会計処理方法」に設定された「勘定科目」に「集計科目」が設定されているかも確認してください。 |
未集計 | 管理会計対象トランザクションのうち、集計フローにより科目集計対象とならなかったものについて、網羅性担保のために「未集計」として集計されます。 |
科目1 | |
科目2 | |
科目3 | |
科目4 | |
科目5 | |
科目6 | |
科目7 | |
科目8 | |
科目9 | |
科目10 | |
科目11 | |
科目12 | |
科目13 | |
科目14 | |
科目15 | |
科目16 | |
科目17 | |
科目18 | |
科目19 | |
科目20 | |
科目21 | |
科目22 | |
科目23 | |
科目24 | |
科目25 | |
科目26 | |
科目27 | |
科目28 | |
科目29 | |
科目30 | |
科目31 | |
科目32 | |
科目33 | |
科目34 | |
科目35 | |
科目36 | |
科目37 | |
科目38 | |
科目39 | |
科目40 | |
案件情報 | |
案件確度 | |
見積情報 | |
見積承認ステータス | |
見積不採択 | |
受注作成済 | |
受注情報 | |
受注承認ステータス | |
納品明細作成済 | |
期間収益明細作成済 | |
T&M収益明細作成済 | |
納品、期間収益、T&M収益情報 | |
売上作成済 | |
調達依頼情報 | |
調達依頼承認ステータス | |
発注作成済 | |
発注情報 | |
発注承認ステータス | |
検収明細作成済 | |
期間費用明細作成済 | |
T&M費用明細作成済 | |
検収、期間費用、T&M費用情報 | |
仕入経費作成済 | |
その他情報 | |
tb_ExId | |
リファレンス情報 | |
案件 | |
見積 | |
見積明細 | |
受注 | |
受注明細 | |
納品 | |
納品明細 | |
期間収益 | |
期間収益明細 | |
T&M収益 | |
T&M収益明細 | |
売上明細 | |
請求明細 | |
調達依頼 | |
調達依頼明細 | |
発注 | |
発注明細 | |
検収 | |
検収明細 | |
期間費用 | |
期間費用明細 | |
T&M費用 | |
T&M費用明細 | |
仕入経費明細 | |
支払明細 | |
制作指図 | |
配員 | |
制作間接費配賦 | |
経費精算 | |
経費精算明細 | |
得意先 | |
案件担当者 | |
部門(会計) | |
セグメント種別1 | |
セグメント種別2 | |
セグメント種別3 | |
商品・サービス | |
商品・サービスセグメント1 | |
商品・サービスセグメント2 | |
商品・サービスセグメント3 | |
フロー名 | |
作成元レコードId | この管理会計レコードの作成元のレコードId。 |
※仕様の詳細は、以下の資料をご覧下さい。