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はじめに
【制作間接費配賦】オブジェクトの使い方に関する操作マニュアルです。
【制作間接費配賦】では、制作間接費(製造間接費)の予算と実績の配賦を、直接作業時間を配賦基準として、自動的に行うことができます。設定を行うのみで、制作間接費の予算額と実績額は自動計算されますので、案件または制作管理者は、制作間接費の意味、計算方法を理解していれば、原価、利益管理に専念することができます。
制作間接費とは
制作間接費(製造間接費)(overhead allocation)とは、実際発生額はわかっていても、各制作指図(製造指図)別にどれほど発生したかが直接に知ることができない費用のことを言います。発生形態別の分類では、材料費、労務費、経費から構成されます。
制作間接費(製造間接費)は、以下の手順で運用します。
- 会計年度の始めに、制作部門別に制作間接費予算を設定する
- 部門別制作間接費予算を基準操業度で除することによって正常配賦率を算定し、【制作間接費配賦マスタ】を登録する
- 制作中は、制作指図別に配賦基準予定量を設定し、正常配賦率を乗じて、制作間接費配賦予算額で予算管理する
- 制作指図別に配賦基準量を集計し、正常配賦率を乗じて、制作間接費配賦額を計算する
- 制作指図または案件別の業績管理責任者は、制作間接費の予算と実績を比較して原価管理、利益管理を行う
- 部門別の業績またはコスト管理責任者は、部門における制作間接費の予算と実績を比較して原価管理を行う
配賦基準には様々ありますが、直接作業時間が、特にツバイソPSAが対象とするプロフェッショナルサービスには適しており、標準機能による制作間接費配賦の自動作成、集計は直接作業時間のみ対応しています。
制作間接費(製造間接費)の運用においては、制作部門別の制作間接費予算の実態に即した設定が重要であり、そのためには、制作間接費の部門別、勘定科目別の正確な実際発生額の把握が重要で、これが翌年度の予算の根拠になります。
実際発生額の把握は、間接労務費は【タイムシート登録】により「その他(間接労務費)」といった「タイムチャージ対象.制作間接費リソース」に「間接労務費」が設定されているタイムチャージ対象を選択した場合に作成される配員(制作間接費リソースに制作間接費が設定されています。)を集計することで把握できます。
間接経費は調達プロセスにおいては【商品・サービス】、経費精算においては【経費精算原因マスタ】により直接費と間接費の区分を自動設定することができるため、間接費の「購買原因マスタ」が設定されている【仕入経費明細】と間接費の「経費精算原因マスタ」が設定されている【経費精算明細】を集計することで実際発生額の把握ができます。これらはツバイソERPに連携することで部門別、勘定科目別に直接費と間接費の仕訳が作成されますので、間接費の勘定科目を集計することでも把握できます。
制作間接費配賦レコード一覧の確認方法
ナビゲーションバーから「制作間接費配賦」を選択すると、参照権限がある制作間接費配賦レコードの一覧(リストビュー「最近参照したデータ」)が表示されます。ツバイソPSA標準で推奨のリストビューを用意していますが、ユーザ毎に業務に合わせてカスタマイズすることができます。
※リストビューの活用方法
使用方法
1. 会計年度開始前
【制作間接費配賦マスタ】を設定します。「正常配賦率」は、期中に変更することもできます。
2. 制作指図における配員計画
【制作指図】において【配員】を行うことによって、配員した社員が所属する部門(会計)の制作間接費配賦レコードが配員期間にわたり月次で自動作成されます。
また、制作間接費配賦レコード作成時に制作間接費配賦マスタが自動設定され、「正常配賦率」も設定されます。自動設定される制作間接費配賦マスタは、制作間接費配賦レコードの部門(会計)と一致し、配員月に対応する「適用開始日」と「適用終了日」、配賦基準が直接作業時間のものとなります。間接部門など、制作間接費配賦金額の計算を行う必要がない部門については、当該部門に係る制作間接費配賦マスタを作成しないことによって、制作間接費配賦レコードによる金額計算がされなくなります。
配員の「月次予定時間合計」を設定することにより、配員された社員の部門別集計の予定時間が「配賦基準予定量」として各月の制作間接費配賦に自動設定されます。これにより、「配賦予算額」が計算されます。
3. 制作中
各社員が【タイムシート登録】に「実績作業時間」を登録することで制作指図別に月次の「月次実際時間合計」が集計されます。これをリアルタイムに部門別に集計し、制作間接費配賦の「配賦基準量」に自動設定されることで、「正常配賦額」が計算されます。
4. 原価管理
【案件】、【受注】、【制作指図】の「制作間接費予算」と「制作間接費」に各制作間接費配賦レコードの「配賦予算額」と「正常配賦額」が積み上げ集計されますので、案件または制作指図の管理者は、これを比較することにより原価管理を行います。
項目一覧
項目名 | 説明 |
基本情報 | |
制作間接費配賦マスタ | 選択できる制作間接費配賦マスタの条件は次の通りです。無効ではない。部門(会計)が一致している。配賦基準が一致している。会計計上年月は、マスタの適用開始日以上、かつマスタの適用終了日以下。上記に条件が一致する制作間接費配賦マスタが存在する場合は、制作間接費配賦の作成時に自動設定されます。 |
配賦基準 | 制作間接費配賦マスタより転記されます。 |
無効 | 本レコードを無効とする場合にチェックしてください。 |
会計計上年月 | 会計計上年月のdate型。日付は1とします。 例:会計計上年月2020/4の場合は、2020/4/1として日付型データを保持します。 |
配賦額計算情報 | |
正常配賦率 | 制作間接費配賦マスタより転記されます。 |
配賦基準量 | |
正常配賦額 | 正常配賦率 * 配賦基準量 |
単位 | 制作間接費配賦マスタより転記されます。 |
配賦基準予定量 | |
配賦予算額 | 正常配賦率 * 配賦基準予定量 |
管理会計 | |
管理会計を再作成 | 当該レコードから作成した「管理会計2」レコードを最新状態に同期するために使用します。具体的には、当該レコードが更新されたことをトリガに「管理会計2」レコードが削除、再作成されます。 |
部門 | 当該レコードの部門を設定してください。 |
部門(会計) | 初期値は、制作間接費配賦の作成元となった配員.社員部門マスタ.部門(会計)が自動設定されます。 |
その他情報 | |
tb_ExId | インポート・エクスポート用の外部IDとして用います。使わなくても構いません。 Salesforce org 間のインポート・エクスポートの場合は元のデータの Id を tb_ExId__c にコピーして使います。 |
リファレンス情報 | |
案件 | |
受注 | |
制作指図 | |
原価計算票(集計済) | 原価計算票の集計値に含まれている場合に原価計算票が関連付けされます。含まれない場合はブランクになります。 |
ツバイソロック情報 | |
月次締処理 | |
締処理 | 本レコードを締処理する場合にチェックしてください。 |
ツバイソロック(締め) | |
ツバイソロック(締め)ユーザ | |
ツバイソロック(締め)最終ロック日時 | |
ツバイソロック(締め)の更新 | |
ツバイソアンロック(締め)の更新 | |
システム情報 | |
レコード共有の更新 |
※過去バージョンの内容は、以下のファイルをご確認下さい。