※この記事は、2026年10月1日の時点でツバイソPSA 6.0以前をご利用の見込みのお客様を対象としています。
2026年(令和8年)10月1日から、インボイス制度の経過措置で控除できる割合が 80%控除から70%控除へ変わります。 ここでは、ツバイソPSA 6.0以前をご利用のお客様が、控除割合に応じた税区分マスタの切り替えを手作業で行う方法について説明します。
ツバイソPSA 6.1には、仕入経費の計上日に応じて税区分マスタを自動的に置き換える「適用日基準による消費税区分の自動判定機能」がありますが、この機能は6.1以降のバージョンでのみご利用いただけます。 6.0以前をご利用の場合は、これと同じ状態(計上日に合った控除割合の税区分マスタで仕入経費が計上されている状態)を、この記事の手順で手作業により実現していただきます。
切り替えにおける運用では、以下がポイントとなります。
- 80%控除か70%控除かの判断は、請求書の日付や支払日ではなく仕入経費の計上日で行うこと
- 対象は未登録事業者(免税事業者を含む)からの仕入に使う経過措置用の税区分マスタであること
- 税区分マスタ → 仕入経費明細・発注明細 → 商品・サービスの順に作業すること(順番を誤ると、9月計上分に70%控除が入ってしまいます)
切り替え日までに6.1以降へバージョンアップいただいた場合は、自動判定機能により税区分マスタの置き換えと控除額の再計算が自動で行われるため、この記事の作業2(計上済み明細の付け替え)の対応が不要になります。
経過措置の期間と控除できる割合
| 期間 | 控除できる割合 |
| 2023年(令和5年)10月1日 ~ 2026年(令和8年)9月30日 | 80%控除 |
| 2026年(令和8年)10月1日 ~ 2028年(令和10年)9月30日 | 70%控除 |
| 2028年(令和10年)10月1日 ~ 2030年(令和12年)9月30日 | 50%控除 |
| 2030年(令和12年)10月1日 ~ 2031年(令和13年)9月30日 | 30%控除 |
| 2031年(令和13年)10月1日 ~ | 0%(控除不可) |
※従来(令和5年度税制改正時点)の経過措置は「80%控除→50%控除→控除不可」でしたが、令和8年度税制改正により70%控除・30%控除が追加され、各期間も変更されています。
消費税法における「課税仕入れを行った日」は、原則として請求書の日付や支払日ではなく、モノやサービスの引渡し・提供を受けた日です。ツバイソPSAの仕入経費の計上日は、検収・期間費用・T&M費用の「会計計上日」(未設定の場合は仕入経費計上日/検収日)から設定されます。したがって、80%控除か70%控除かの判断は「仕入経費の計上日」で行います。
作業の全体像と順番
経過措置税区分の切り替え手作業は、以下の順番で行います。
| # | 作業 | 実施時期 |
| 作業1 | 税区分マスタの追加・更新(添付CSVのインポート) | 2026年9月30日までに(作業2・作業3の前提) |
| 作業2 | 計上日が2026年10月1日以降の分を70%控除へ直す | 2026年10月以降、月次で継続 |
| 作業3 | 商品・サービスの既定税区分を70%控除へ更新 | 2026年9月分の仕入経費明細が確定した後 |
税区分マスタ(購買)は「商品・サービス → 発注明細 → 仕入経費明細」の順に転記されます。作業3を9月分の確定後に行うのは、9月30日までに計上される仕入経費には引き続き80%控除が必要なためです。
80%控除 → 70%控除 の対応表
置き換える税区分マスタの対応は、次の通りです(カッコ内は税区分コード)。
どちらを選ぶかは仕入経費の計上日で決まります。計上日が2026年9月30日までなら80%控除、2026年10月1日以降なら70%控除を選びます。
| 税率 | 売上区分 | 計上日が2026年9月30日まで 【変更前】80%控除 |
計上日が2026年10月1日以降 【変更後】70%控除 |
| 10% | 課税売上分 | 課税売上分経過措置仕入(80%控除)(10%)(3061) | 課税売上分経過措置仕入(70%控除)(10%)(3067) |
| 10% | 非課税売上分 | 非課税売上分経過措置仕入(80%控除)(10%)(3062) | 非課税売上分経過措置仕入(70%控除)(10%)(3068) |
| 10% | 共通売上分 | 共通売上分経過措置仕入(80%控除)(10%)(3063) | 共通売上分経過措置仕入(70%控除)(10%)(3069) |
| 軽減8% | 課税売上分 | 課税売上分経過措置仕入(80%控除)(軽減8%)(2061) | 課税売上分経過措置仕入(70%控除)(軽減8%)(2067) |
| 軽減8% | 非課税売上分 | 非課税売上分経過措置仕入(80%控除)(軽減8%)(2062) | 非課税売上分経過措置仕入(70%控除)(軽減8%)(2068) |
| 軽減8% | 共通売上分 | 共通売上分経過措置仕入(80%控除)(軽減8%)(2063) | 共通売上分経過措置仕入(70%控除)(軽減8%)(2069) |
| 8% | 課税売上分 | 課税売上分経過措置仕入(80%控除)(8%)(1061) | 課税売上分経過措置仕入(70%控除)(8%)(1067) |
| 8% | 非課税売上分 | 非課税売上分経過措置仕入(80%控除)(8%)(1062) | 非課税売上分経過措置仕入(70%控除)(8%)(1068) |
| 8% | 共通売上分 | 共通売上分経過措置仕入(80%控除)(8%)(1063) | 共通売上分経過措置仕入(70%控除)(8%)(1069) |
| 5% | 課税売上分 | 課税売上分経過措置仕入(80%控除)(5%)(61) | 課税売上分経過措置仕入(70%控除)(5%)(67) |
| 5% | 非課税売上分 | 非課税売上分経過措置仕入(80%控除)(5%)(62) | 非課税売上分経過措置仕入(70%控除)(5%)(68) |
| 5% | 共通売上分 | 共通売上分経過措置仕入(80%控除)(5%)(63) | 共通売上分経過措置仕入(70%控除)(5%)(69) |
※仕入対価の返還を計上する場合は、計上日に応じた税区分マスタを都度手動で選択してください。
仕入先が登録事業者の場合は経過措置の対象外です
仕入先の取引先関連情報の「仕入先事業者区分(インボイス制度)」が登録事業者の場合、仕入税額控除は100%適用されるため経過措置は関係ありません。この場合は経過措置用ではなく通常の税区分マスタが設定されている必要があります。
※作業2・作業3は、未登録事業者(免税事業者を含む)からの仕入に設定されている経過措置用の税区分マスタを対象としています。
作業1: 税区分マスタを追加・更新する
70%控除・30%控除の税区分マスタは、ツバイソPSAに標準では登録されていません。また、既存の80%控除・50%控除の有効期間は、令和8年度税制改正前の期間で登録されています。
本記事に添付の2つのCSVファイルをインポートし、税区分マスタを改正後の内容に整備してください。
| ファイル | インポート方法 | 件数 | 内容 |
| 新経過措置税区分追加用 | 新規レコードを追加 | 48件 | 70%控除 24件(本体12件・返還用12件)、30%控除 24件(同)を追加 |
| 既存経過措置税区分更新用 | 既存のレコードを更新(照合キー=名前) | 48件 | 80%控除24件の終了日を 2026/09/30、50%控除24件の開始日を 2028/10/01・終了日を 2030/09/30 に是正 |
※2つのCSVは両方とも必ずインポートしてください(順番は問いません)。片方だけでは、80%控除と70%控除の有効期間が重なったまま、または70%控除が存在しないままになります。
インポート前の確認
- レポート 「税区分マスタ一覧」 で現在の税区分マスタを確認し、CSVでエクスポートして作業前のバックアップとして保管してください。
- 税区分マスタ名をカスタマイズされている場合はCSVの加工が必要です。 更新用CSVは「名前」で既存レコードを照合するため、名称が一致しないと更新されず、新規レコードとして重複追加されることがあります。レポートで確認した税区分マスタの名称に、CSVの「税区分マスタ名」列を書き換えてください。追加用CSVは名称・略称のみ命名規則に合わせて変更可とし、税区分コード・税区分コード(ERP)・経過措置控除割合・税率(%)・開始日・終了日は変更しないでください(会計連携や集計に使用されます)。
- 同じ名前の税区分マスタが重複していると「名前」での更新が正しく動作しません。インポート前に重複がないことを確認してください。
- インポートには、システム管理者ユーザーおよび「カスタムオブジェクトのインポート」システム権限が必要です。
- 事前にSandbox環境で動作を確認の上、本番環境へ適用してください。
インポートの手順
「新規レコードを追加」→「既存のレコードを更新」の2回、同じ流れでインポートします。
- 税区分マスタのリストビューを開きます
- 「インポート」をクリックしてインポートウィザードを開き、オブジェクトに 「税区分マスタ」 を選択します
- インポートの方法を選択します
- 1回目(新経過措置税区分追加用)… 「新規レコードを追加」
- 2回目(既存経過措置税区分更新用)… 「既存のレコードを更新」 を選び、照合方法に 「名前」 を指定します
- 「新規レコードおよび更新されたレコードにワークフロールールおよびプロセスを適用」にチェックを入れます
- インポートファイルに添付のCSVを設定し、文字コードは UTF-8、区切り文字は カンマ を選択します
- 「次へ」をクリックし、項目の対応付けを確認します
- CSVのヘッダー名が税区分マスタの項目名と一致していれば自動で対応付けされます
- 対応付けされていない列があれば「変更」をクリックし、対象の項目を選んで「対応付け」をクリックします
- 「税区分コード」「税区分コード(ERP)」「経過措置控除割合」「税率(%)」「開始日」「終了日」がすべて対応付けされていることを確認してください
- 「次へ」でインポート内容を確認し、「インポートを開始」をクリックします
- 「一括データ読み込みジョブ」の画面で結果を確認します
- 「レコードの失敗」が0件であることを確認します
- 失敗がある場合は「結果を表示」からCSVをダウンロードし、原因を確認して修正のうえ再実行してください
- 1回目が完了したら、手順1に戻って2回目(既存のレコードを更新)を実施します
※インポートウィザードの基本操作は、ヘルプ記事インポートでレコードを追加・更新する方法もあわせてご参照ください。
完了の確認
レポート「税区分マスタ一覧」で以下を確認できれば作業1は完了です。
- 70%控除のレコード(開始日 2026/10/01・終了日 2028/09/30)が24件存在する
- 30%控除のレコード(開始日 2030/10/01・終了日 2031/09/30)が24件存在する
- 80%控除の終了日が 2026/09/30、50%控除の開始日が 2028/10/01 になっている
- 重複レコードが作られていない
作業2: 計上日が2026年10月1日以降の分を70%控除へ直す
2-1. 計上済みの仕入経費明細を付け替える(必須)
対象の洗い出し
仕入経費明細のリストビューを作成し、計上日 ≧ 2026/10/01 かつ 税区分マスタ(購買)が80%控除のいずれかで絞り込みます。このリストビューを作っておくと、毎月の月次締めの前に対象を確認できます。
標準レポート 「債権債務別税区分別仕入経費明細月次推移」 では、2026年10月以降の列に80%控除の金額が残っていないかを面で確認できます。
付け替え
対象の仕入経費明細で、次の2つを同時に更新します。
- 「税区分マスタ(購買)」を、計上日に対応する70%控除の税区分マスタに変更する
- 「インボイス制度経過措置控除額の計算実行」にチェックを入れる
保存後、「インボイス制度経過措置控除額」「金額(税抜)」「税額」が70%控除で再計算され、計算実行のチェックが自動的に外れていることを確認します。計算ログはChatterに自動投稿されます。
※税区分マスタ(購買)を変更しただけでは控除額は再計算されません。控除額の再計算は「インボイス制度経過措置控除額の計算実行」がオンになったときに動くためです。単価(税抜)を同じ値で入力し直しても再計算されません。
※計算は毎回「インボイス制度経過措置計算前の金額(税込)」を基準に算出し直すため、複数回実行しても控除が二重になることはありません。
※担当者名や対応理由などの記録は、「メモ(社内用)」ではなくChatterのコメントとして残してください。控除額の計算を実行すると「メモ(社内用)」は計算ログで上書きされます。
件数が多い場合は、上記2項目をCSVで同時に更新してインポートできます。その際はインポートウィザードの「新規レコードおよび更新されたレコードにワークフロールールおよびプロセスを適用」に必ずチェックを入れてください。一括更新の前にはバックアップを取得し、Sandbox環境または少数レコードで結果を確認してください。
仕入経費の見出しが承認ロック・締めロックの場合は、承認取消・締め解除をしてから修正します。会計期間を締めた後に判明した場合は、修正の可否を経理責任者にご確認ください。
2-2. 未計上分を先回りして直す(任意)
仕入経費明細がまだ作成されておらず、計上日(検収日)が2026年10月1日以降になる検収明細・T&M費用明細・期間費用明細について、その転記元の発注明細の「税区分マスタ(購買)」を70%控除に変更しておくと、これから作成される仕入経費明細が最初から70%控除で計上され、2-1の対象を減らせます。
税区分マスタ(購買)は、検収・期間費用・T&M費用から仕入経費へ転記される時点で発注明細を読み直すため、未計上分については発注明細を直しておけば以降の生成分に反映されます。 とくに期間費用は契約期間にわたって毎月仕入経費が生成されるため、発注明細を直さないと10月以降も80%控除のまま計上され続けます。
※同じ発注明細から9月計上分の未転記が残っている場合、その分も70%控除で転記されてしまいます。9月計上分の転記が済んでから発注明細を変更してください。
- 発注が承認ロック・締めロック等の状態にある場合は、ロックを解除してから変更してください。
- すでに作成済みの仕入経費明細には遡及しません。 作成済みのものは2-1で是正します。
- 「商品・サービスからマスタ値を設定」チェックボックスでは上書きされません。 このチェックボックスは税区分マスタ(購買)が未設定の場合にのみ商品・サービスの値を転記します。すでに80%控除が入っている発注明細は、税区分マスタ(購買)を直接変更してください。
作業3: 商品・サービスの既定税区分を70%控除へ更新する
2026年9月分の仕入経費明細が確定した後に実施してください。 それより前に変更すると、9月計上分として新しく作成する発注・検収に70%控除が入ってしまいます。
変更するのは、未登録事業者(免税事業者を含む)からの仕入に使う経過措置用の税区分マスタだけです。 仕入先が登録事業者の場合は仕入税額控除が100%適用されるため経過措置の対象外です。通常の税区分マスタ(経過措置控除割合が未設定のもの)が設定されている項目は変更しないでください。
※対象外の仕入まで誤って直してしまわないよう、絞り込み条件には「経過措置用の税区分マスタ(80%控除)が設定されている」ことを必ず含めてください。
商品・サービスの以下の項目に経過措置用の税区分マスタ(80%控除)が設定されている場合、対応表にしたがって70%控除に変更します。
- 税区分マスタ(購買)[未登録事業者] … 未登録事業者からの仕入で使われる項目。経過措置用の税区分マスタは通常この項目に設定されています
件数が少なければレコードを個別に、多ければリストビューの一括編集(一度に最大200件)またはインポート(既存のレコードを更新)で変更してください。一括更新の前にはバックアップを取得し、事前にSandbox環境で確認してください。
作業後に計上日・仕入先を変更した場合
※計上日を後から変更しても、税区分マスタは自動では見直されません。 6.0以前には自動判定機能がないため、計上日を9月から10月(またはその逆)に変更した場合は、税区分マスタが計上日に合っているかを必ず手で確認してください。
※仕入先の事業者区分を変更した場合も再確認が必要です。 「仕入先事業者区分(インボイス制度)」を未登録事業者から登録事業者に変更しても、作成済みの仕入経費明細の税区分マスタは自動では変わりません。経過措置用から通常の税区分マスタへ手動で付け替えてください。
今後の切り替えスケジュール
控除割合が切り替わるタイミングごとに、作業2・作業3と同じ作業が必要になります。
| 切り替え日 | 変更前 | 変更後 |
| 2026年10月1日 | 80%控除 | 70%控除 |
| 2028年10月1日 | 70%控除 | 50%控除 |
| 2030年10月1日 | 50%控除 | 30%控除 |
| 2031年10月1日 | 30%控除 | 通常の税区分マスタ(控除不可) |
作業1(税区分マスタの追加・更新)は、今回の1回で30%控除まで登録が完了します。 2028年10月1日・2030年10月1日・2031年10月1日の切り替え時には、作業2・作業3のみを実施してください。
※2031年10月1日は経過措置が終了します。作業内容は2028年・2030年と同じで、計上日が2031年10月1日以降の明細に30%控除が残っていないかを確認して付け替えますが、付け替え先が経過措置用ではなく通常の税区分マスタになります。
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