はじめに
物を仕入れて販売するだけであれば、今開いている「受注」の「制作・調達中」フェーズから、「調達依頼」または、「見積依頼」、「発注」を行うことで受注と原価を紐づけて調達プロセスを進めることができます。
一方、サービス業でも製造業のように「制作」(製造)を行う場合は、【制作指図】を作成して、ここで制作管理(プロジェクトの計画、実行管理)と個別原価計算を行います。
クイックスタート:小さな会社の本格経営では、簡便的に、半分どんぶり勘定で制作管理(プロジェクト管理)、個別原価計算を省略していましたが、今回は協力会社への外注費と自社の人件費、制作間接費も原価管理して個別原価計算を行います。
※【省略可】マークがある項目はチュートリアルを行うにあたって省略可能です。
制作指図を作成する
このプロジェクトでは、加藤さんがプロジェクトマネージャとして制作指図の担当者となります。加藤康介さんとして代理ログインし、以下のように作成してください。代理ログインの方法はこちらを参考にしてください。
「受注」の「制作・調達中」フェーズが開いていることを確認してください。「制作指図」タブの「次へ」を押して「制作指図」を作成しましょう。
作成対象の受注制作品の「標準システム導入支援サービスB」を選択して「次へ」を押しましょう。
※受注制作品とは在庫を持たずに、受注後に制作を行うと設定した【商品・サービス】です。
- 件名:標準システム導入パッケージB
- 納品予定日:20X3/12/25
- 担当者:加藤康介
- 立替えた経費を制作指図(原価)に計上「する」
「経費精算計上先(調達)を作成」を押しましょう。
作成した「制作指図」レコードを開きます。
フェーズ:制作・納品計画
タブ:ステップ>サマリー【省略可】
制作のマスタープランと仕様を登録しましょう。
- 着手予定日:20X3/10/01
- 完了予定日:20X3/12/18
- 仕様:省略
調達依頼を作成する
続いて、外部調達を行うための【調達依頼】(社内の調達部門(または自部門)に対する調達依頼)を行います。この時点では調達先が決まっていないこともありますが、今回はいつもお願いしている「ベストパートナー」さんに発注する前提で進めます。(調達先が決まっている場合、決まっていない場合の両方が運用できます。)
タブ:ステップ>調達>調達依頼
「(制作指図)調達依頼を作成」の「次へ」を押して、「調達依頼」を作成します。
- 調達依頼件名:葛城ECサイト標準システム導入支援
- 納入期限:20X3/11/30
- 仕入先:ベストパートナー株式会社
- 担当者:加藤康介
- 作成した調達依頼レコードに移動「する」
作成した「調達依頼」が開いていると思いますので、続けて調達依頼を作成します。操作方法は、外注管理(調達依頼)を確認しながら行ってください。
配員を作成する
続いて、社内の【配員】(人員の割り当て)を行います。
タブ:ステップ>配員>配員作成
「(制作指図)配員、タイムチャージ対象を作成」の「次へ」を押します。
- 配員開始日:20X3/10/1
- 配員作成月数:3
- 配員作成対象者:佐藤藤吉、加藤康介、中谷みゆき
- タイムチャージ対象名:葛城ECサイト標準システム導入支援
- この後、次の配員のためのToDoを設定「しない」
「配員作成」が完了すると、下に、以下のような「配員」のリストビューが作成されます。
3人分、3ヶ月分の「配員」が9レコード作成されたことを確認してください。
※配員レコードの作成に数分時間がかかる場合があります。
「すべて表示」をクリックして、詳細を見てみましょう。
社員マスタに設定している人件費レートが転記されていることが分かります。
(人件費レートを参照するためには、権限セット[配員(人件費参照)]が必要です)
次に、「配員」の予定時間を設定しましょう。これを行うことで将来リソースの予定と人件費の予算が計算されます。ブラウザで一つページを戻して、先程の「制作指図」レコードを開いてください。
「配員」の「リストビュー」の上にある「配員予定時間の設定」をクリックしてください。
以下のように、配員月別、社員別に一覧が表示されますので、「月次予定時間合計(時間)」に予定時間を入れましょう。
※項目の編集ができない場合は、「項目編集を有効化」ボタンを押してください。
- 20X3/10/01
- 中谷みゆき:50
- 加藤康介:30
- 佐藤藤吉:10
- 20X3/11/01
- 中谷みゆき:60
- 加藤康介:30
- 佐藤藤吉:10
- 20X3/12/01
- 中谷みゆき:70
- 加藤康介:40
- 佐藤藤吉:20
そうすると、各月の人件費予算が計算されます。
「制作指図」に戻ってみましょう。
「人件費・間接費管理」に「人件費予算」と「制作間接費予算」が計算されていることが分かります。
ここで突然現れた「制作間接費予算」ですが、これは各案件メンバーに予定時間を割り当てることによって「制作間接費配賦」レコードが自動的に作成され、計算されるものです。原価計算制度における制作間接費配賦についてはこちらを確認してください。
先ほどの「配員」タブ内の「配員作成」タブを開いて、「配員」のリストビューの下にある「制作間接費配賦」を確認してみましょう。
該当する期間と部門の「制作間接費配賦マスタ」から「正常配賦率」、「月次予定時間合計(時間)」から「配賦基準予定量」が自動設定され、制作間接費予算が計算されています。今回は加藤康介さんと中谷みゆきさんが営業1課、佐藤藤吉さんが営業部に所属しているため6レコード(2部門*3ヶ月)作成されていることを確認してください。加藤さんと中谷さんの予定時間を合算した時間を「配賦基準予定量」として「配賦予算額」が計算されています。
(本来は制作部門の社員が配員され、この制作部門に係る制作間接費が原価計算されるべきですが、トライアル環境ではユーザ数の制約から制作部門の社員が選択できないため、営業部門の社員(加藤さん、中谷さん)で代用しています。逆に言えば、営業部の社員の人件費も案件の直接費として原価計算することができます。さらに、営業部の人件費については仕掛品計上されないように設定することができます。)
納品を作成する
続いて納品計画を行います。
ツバイソでは、基本的には予め計画を立てておくことで、仕事が漏れないようにし、かつ、マネジメントにおいては売上予測値や損益予測値を自動取得します。
では、「納品」を作成しましょう。「ステップ」タブを開いて、「収益認識」タブの「納品(計画)を作成」を開いて、必要項目を登録して「次へ」を押してください。基本的には自動セットされた内容を確認して「次へ」を押すだけです。簡単です。
- 件名:葛城ECサイト構築
- 納品予定日:20X3/12/25
- 納品日:ブランク
- 担当者:佐藤藤吉
納品と納品明細レコードが作成されました。
開始承認、制作中
必要に応じてフェーズを「開始承認」に変更し、承認プロセスを行います。
その後、フェーズを「制作中」に変更して完成まで管理します。
開始承認を行う前に、「サマリー」タブから制作予算と着手日を登録しておきましょう。
- 制作予算:4,500,000
- 着手日:20X3/10/01【省略可】
仕入先別月次予算(実行予算)の確認
ここまで行うと予算が自動的に作成されます。見てみましょう。
管理会計タブの「仕入先別月次実行予算実績(実行予算)」を開いてください。
レポートの下にある「小計」をオフにし、「積み上げ集計」をオンにしてください。以下のような表が作成されます。
仕入先別の月次の予算実績を管理できる表です。今は予定情報しか入っていません。
一番上の仕入先がない行は、社内の労務費と制作間接費の集計です。その下は、仕入先予定の「ベストパートナー株式会社」への外注費を把握することができます。
後で、実績が入った後にもみてみましょう。
まとめ
これまで見てきたように、「制作指図」は制作プロセス(プロジェクト管理)の中心であり、ここから「調達プロセス」、「配員」(制作間接費)、「納品」の計画(予算)を立てます。
あとは、実績値がリアルタイムに集計されていきますので、プロジェクトマネージャは、スケジュールのズレ、予算と実績のズレを見ながら、早めにリスクを把握して手を打つ、数字で説明する、ということができるようになります。納品予定日を変更することで関連する納品レコードの納品予定日も変更され、管理会計上の売上、原価計上日も自動的に更新され、全社でリアルタイムに情報共有できます。
マネジメントに必要なリアルタイム情報を手元に持つことで、プロジェクトマネージャは武器を持って自分の責務を果たすことができるようになります。