はじめに
ここで、経理・原価計算担当者の仕事を見てみましょう。
このプロジェクトでは、日村恭介さんが経理・原価計算を担当しますので、日村恭介さんとして代理ログインしましょう。代理ログインの方法はこちらを参考にしてください。
経理・原価計算担当者は、制作指図別に発生した原価を形態別(直接材料費、直接労務費、直接経費、制作間接費)に分類し、月次で【原価計算票】に集計します。
そして、制作指図、案件の種類に応じて未完成、完成、引渡しの状態により会計処理を行い、月次で締め切り、財務会計システムに計上します。ツバイソPSAは、「完了承認日」が登録された場合に、ステータスが「完成」に自動変更され、「得意先検収日」が登録された場合に、ステータスが「検収済」に自動変更されます。
今回の葛城ECサイト構築の場合は、未完成/完成の状態は、「仕掛品」として会計処理し、引渡しを行った時点で「売上原価」として会計処理します。
進行基準の場合は、進捗度の計算に月次で確定した原価が必要ですが、これに原価計算票の結果が使用されます。2021/4以降適用の「収益認識に関する会計基準」の進捗度をインプット法により見積る収益認識の方法の場合は、未完成時も「売上原価」になります。詳しくは、 進行基準による収益認識の方法を参考にしてください。
自社利用のソフトウェアであれば、未完成時は「ソフトウェア仮勘定」、完成したら「ソフトウェア」ですね。研究開発の場合であれば、常に「研究開発費」ですね。ツバイソPSAではこのような処理もマスタ設定により可能です。
原価計算票
では、業務メニューから原価計算票を開いてください。
そして、リストビューを「2. 集計値を更新用」に変更してください。
そうすると、葛城ECサイト構築があるのがわかります。実は、「制作指図」レコードの作成時に同時に自動作成されていたのです。
制作原価に関する金額を見ると、まだゼロですね。
まず、このレコードの「会計計上日」を設定します。
一般的に、制作指図の着手日の属する月の末日が、会計計上を行う日となります。
今回は20X1/10/31と設定します。
次に、このレコードにチェックをつけて、「集計値を更新」を押しましょう。
このような画面に移動しますので、「集計期間」を20X1年10月までに設定して、「集計値の更新を実行」を押してください。これにより、これまで登録したレコードのうち、20X1年10月計上までの仕入経費、配員、制作間接費配賦、経費精算から形態別(直接材料費、直接労務費、直接経費、制作間接費)に集計されます。
続いて、「原価計算票ID」を押して原価計算票に移動しましょう。
「原価情報」に先ほどの形態別に原価が集計されていることがわかります。
(参考)
チュートリアルでは20X1/12/31までのデータを登録していますので、上記の「集計期間」を20X1年12月として集計すると以下のように20X1/12/31までの原価集計がされます。
次に、原価計算にかかる仕訳(仕掛品計上など)を制御している【原価会計処理方法】を見ていきましょう。
「原価会計処理方法」は「原価会計処理方法」マスタの「デフォルト」、「進行基準のデフォルト」、「商品・サービス」マスタに設定された「原価会計処理方法」の設定により自動設定されます。手動での変更も可能です。今回は、受注制作品の「商品・サービス:標準システム導入支援サービスB」に設定された原価会計処理方法の「プロジェクト」が自動設定されています。詳しくは、原価会計処理方法のヘルプを参照してください。
では、今設定されている原価会計処理方法[プロジェクト]をクリックして確認してみましょう。
以下のようにステータスごとの仕訳が設定されていることが確認できます。
「制作指図」の「ステータス」は未完成なので、未完成の仕訳が作成されることになります。
原価計算票財務記録
原価計算票には制作指図に関連する原価が形態別に集計されます。これから月次の原価計算にかかる仕訳を作成し、財務会計システム(ツバイソERP)に連携するために【原価計算票財務記録】を作成します。この作成に先ほどの「原価会計処理方法」が使用されます。
再度、原価計算票のリストビューを表示し、「3. 原価計算票財務記録作成用」に切り替えてください。
原価計算票財務記録を作成したいレコードにチェックをつけて、右上の「原価計算票財務記録の作成」を押してください。
開いた画面で内容を確認し、「原価計算票財務記録の作成を実行」を押してください。
そうすると原価計算票財務記録が作成されます。
業務メニューから原価計算票財務記録を開き、「3. 締処理用」のリストビューに切り替えてください。
先ほど作成した原価計算票財務記録にチェックをつけて、締処理を行います。
次に、原価計算票財務記録のリストビューを「4. システム連携用」に切り替えてください。
先ほど締処理を行った原価計算票財務記録にチェックをつけて、右上の「システム連携」を押してください。
開いた画面で内容を確認し、「ツバイソERP連携を実行」を押してください。
ツバイソERPに仕訳が自動作成され、リンクされます。
「対象財務記録名」をクリックし、原価計算票財務記録を確認してみましょう。
以下のように赤伝、黒伝の仕訳を確認することができます。毎月月次で洗い替えの仕訳が生成されます。
制作指図
原価計算票で集計した結果は、制作指図に自動転記されます。制作指図のリンクから移動して確認してみましょう。制作指図のサマリータブを開いてください。
20X1/10/31までの原価集計結果が「制作原価(原価計算票)」に転記され、「進捗度」が計算されていることがわかります。